​ナット&サドルの弦高調整

よりギターの音色を響かせるための調整方法とポイントについてご紹介します。

 

サドルの調整

 
​SuperNatural Pickup搭載モデルの弦高調整について
 

スーパーナチュラル・ピックアップ(以下SN)はサドル・スロットの中の6つのセンサーで音を拾います。

それを吊り下げるネジが両サイドにあります。

そのネジを避けるようにサドルは加工されています。(下の写真)

そのため弦高を下げるためにサドルの底面を0.2mm削る場合は、両サイドの部分も0.2mm同時に削る必要があります。

サドル調整のポイント
 

サドルは最も音質に影響のあるパーツの一つです。サドルの底面は必ず完全なフラットに仕上げる必要があります。

そのためには必ず工具を使うべきです。

弦高の測定の仕方

 

12F の弦の下側からフレットの頂点の距離を測定します。

この写真は12F 弦高が2.5mmという事です。

Ayersギターは弦ゲージが .011の場合には 6弦が2.5mm 1弦が2.0mmで調整されています。

 .011でも 2.4-1.9mm は可能です。もしもさらに 2.3-1.8mm にまで弦高を下げたい場合は .012ゲージを使うことをオススメ致します。

ギターのゲージによる違い

 

1弦の太さを基準にして弦の太さ(ゲージ)をこのように表現します。

以下の単位はインチになります。25.4mmをかけるとミリになります。

 .010…エクストラ・ライトゲージ

 .011…カスタム・ライトゲージ

 .012…ライトゲージ

 .013…ミディアムゲージ

弦が細いほど振幅が大きくなります。

 

ネック反りについて

ネックの反りもまた弦高調整において重要な要素です。

​弦高調整の際にはネックの状態を確認し、必要であればトラスロッドの調整を行います。

ネックの反りを説明する言葉

日本語ではネックの順反り逆反りと表現しますが、英語や中国語ではいくつかの表現方法があり統一感がないので、ここでは世界的サプライヤーSTWEMACの表現を少しご紹介する事にします。

 

​ストレートなネック

僅かな順反りをslight Up-bowと呼んでいます。

ネック・リリーフと呼ぶ人もいます。

順反りup-bow

アップボウバックボウという言い方が定着したら呼びやすいように思います。

逆反りを Back-bow もしくは reverse curve

ネック反りと弦高の調整

ネックには僅かに順反り(slight up-bow) が必要です。

6弦の1Fと14Fを抑えて7Fとフレットの隙間を見ます。0.3-0.1mm の反りをトラスロッドの調整で付けます。

弦が太い程、弦振幅は小さくなり、ネックを真っ直ぐに出来、弦高を下げられます。

 .011のカスタムライトの弦の場合は少し順反りを多く付けます。

もしも .012のゲージを使われるのであればトラスロッドによってネックをさらに少し真っ直ぐに調整する方が良いでしょう。

トラスロッド調整により12F弦高が変わるので、それからサドルの調整をするべきです。

弾き語り中心の方とフィンガースタイルで高度な演奏をされる方とは弦高への要求が違ってきます。

また弦を振幅させる量も異なります。それでここに一つの例として弦のゲージを011-052仕様の弦高のセッティング方法を解説いたします。

​カポを1Fにつけ、片手の小指で14Fを押さえ、7Fの弦高をメーターを使ってチェックします。

この0.001インチメーターで0.008になれば0.2mmの順反り(アップボウ)となります。

目分量ではなくメーターで正確に調整するのがポイントです。

0.008インチになるようにトラスロッドを調整します。

 
​ 

0.2mmの順反りアップボウに調整したら、次にサドルの高さを調整します。

12F 上で6弦2.4mm, 1弦1.9mmにします。湿度の変化などで弦高がわずかに上がることを予測して低めにセットしています。

これが出来たら次に1F弦高の調整、つまりナット溝の調整を行います。

アップボウを0.2mmにして、12Fの弦高をサドルで調整したら次にようやくナット溝の調整をします。

1F弦高をこの表の数字で合わせると弾きやすさと鳴りの両立が可能です。

ナット調整の方法

 

ナット溝の切り方によって音は大きく変化します。

Ayersの基本の調整方法をお知らせいたします。他のギターの調整をこの方法でされても効果があります。

Step1

ヘッド面は約15度の角度が付いています。ヘッド面と同じ角度でナットヤスリを入れます。

15度で溝を切って、ナットと弦が全面接触になった場合、サウンドがタイトで、ストロークのコード感があまり美しく感じられません。

 
Step2

1Fの弦高を設定します。1F弦高を正確に測るには工具が必要になります。

 

まずは6弦1Fの上に乗せます。そして、メーターの針がゼロになるようにセットします。

6弦の1Fと2Fを押し下げるとフレットまでの距離がインチで表示されます。

数字が21を指しています。メモリ一つが0.001なので0.021インチとなります。

1インチ=約25.4ミリをかけると0.53mm となります。

1フレット弦高設定の例
 
スクリーンショット 2019-07-10 13.38.16.png
Step3

今度は25度の角度でナットヤスリを入れ、ナットのヘッド側を落として行きます。

一般に1/3を残します。ナット幅が5ミリならば1.66ミリなので少し多めに2mmの所まで落として行きます。

弦とナットの接触面積を少なくする方がチューニングの安定やサスティーンの長さ、コード感の美しさなどメリットがありますが、あまりにも接触面積を少なくすると摩耗が早くなります。

 

2mmの所に印を付けて、ヘッド側から25度で落として行きます。

Step4

15度と25度で削ることにより出来た角を落とす。

 

この角を落とすか落とさないかの音の違いははっきり分かります。角がある事で弦の接触面積が下がる可能性があるからです。

プロのギタリストがピックアップで音を作る事を前提に弦高をもっと下げる場合もあります。

ギターの調整に正解はありませんが、この方法はかなりバランスの良い調整方法と言えます。